このページの目次
キャスト・スタッフ
主な役者
- マーティン・フリーマン(フィル・ラスク役)
- アダム・ブロディ(ニック・タルマン役)
- オトマラ・マレロ(イザベル・モラレス役「イジー」)
- エディ・ガデギ(ロナルド・デイシー役)
主な制作スタッフ
製作総指揮/脚本:ベン・ケタイ
製作:アダム・ブロディ
脚本:ジョシュ・コービン、シャロン・レノン
シーズン1の感想(ネタバレなし)
評価:
エログロありなので、苦手な人は注意。
立場も人種もバラバラな4人の欲望をそれぞれ丁寧に描写していくドラマ。
FBI捜査官、エリート銀行員、凄腕女性ハッカー、ギャングの幹部
序盤は話が見えてこないのでテンポに欠けて、やや退屈に感じた。お金が動いて4人の思惑が交差してくると段々面白味が出てくる。
スタートアップというタイトルから想像きていた経営サクセスストーリーとはほど遠いものだった。
確かに起業もするし大きなお金が常に絡んで話が動いていく。
人間の欲望を徹底的に描いている。人間の汚さが描かれている。
登場人物はみな癖を持っている。良くある完全無敵で正義な人物はいない。
それぞれスキルは持っているけれど、完璧な人物はいない。むしろ欠陥をもった人物ばかり。法に触れたり、すぐに怒ったり、暴力を振るったり。外から見ると、狂人のように映る場面もあるが、そこには葛藤もあり絶妙に感情移入してしまう。
人生を左右するほどの大金が動いているので、気持ちが理解できなくもないのだ。
人間の汚いところも含めたリアルさを許容できるかで、このドラマの面白さはガラッと変わりそう。
4、5話辺りから面白くなってくる。
気づいたらそれぞれの役柄に感情移入している自分に気づく。4人の登場人物がピンチになると一緒にハラハラする。
話の展開も予定調和でなく、どっちに転ぶか分からないのが面白い。
現在、シーズン1の9話まで見たところだけど、この先ハッピーエンドがバッドエンドどちらを迎えるか、どちらもあり得そうで、予測できない。
最近見たシリコンバレーとは、真逆なシリアスさ。どちらが好きかは好みが分かれる。感情移入してハラハラするので、疲れるが個人的にはスタートアップの方が好み。
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シーズン1の感想(ネタバレあり)
シーズン1を見終わった。
途中の感想でも「終わり方が予想できない」と書いていたが、なかなか後半も予想できない展開は良かった。
ラスク役(マーティン・フリーマン)の感想
パッケージの位置からして、彼が主役なのだろうか?
嫌な奴、というのは多くの人が感じたところだろう。
サイコパス的な男だと思いきや、残虐な行為に絶えられないのか嘔吐してみたり、人間的な部分も見せたりする。娘や奥さん?にも優しい言葉をかけたり、2面性のある男。典型的なDV男だろうか。
ベトナム人のハッカーにあれだけ敵対心を抱かせて、金を取られたのはマヌケすぎると思った。
死ぬのかと思いきや生き残り、シーズン2ではニックたちと一緒に仲間になるのだろうか?違和感があるなあ。彼は殺人の責任をとって、自殺でも良かった気がする。役者の格的に無理だったのだろうか。
ニック役(アダム・ブロディ)の感想
ニックが主人公なのかな〜と思いながら観ていた。最初は彼に感情移入して、ドラマを観ていた。
周りがエキセントリックな役柄が多いので、普通っぽい役どころを担えていたと思う。会社を辞めてみたりところどころ常識はずれな行動もとっているけれど。
イジー役(オトマラ・マレロ)の感想
短気で酒タバコが似合うガサツな女性を、見事に演じていた。
ただ、あまりの横暴さに両親が気の毒に感じてしまった。あまり好感が持てなかった。そういう役どころだろうけれど。
終盤でニックやロナルドを裏切ったシーンは、確かに5〜7年夢のために動いていたことを考えると仕方ないのかな。自分がイギーの立場でも裏切ったかもしれない。契約の場面は、視聴者目線だと怪しさ満点だけど、契約書って素人からするとわからないよな。
最後に妹が死ぬ前、家族と仲良くなっているのに違和感があったけれど、妹が死ぬフリだったのだな。それにしても、親父さんはいつもイジーを気にかけていて、いい親父だよな。
ロナルド役(エディ・ガデギ)の感想
スラム街のギャングというかなり異質なキャラクター。
ギャング、良き父親、ビジネスマンの3つを上手く演じていたように思えるけれど、少し違和感もあった。
途中で敵討ちで積極的に殺しをしてしまうシーンは必要だったかな。せっかく改心していってるところだったのに。
アレックスへのプレゼンで大きく貢献したり、アレックスの胡散臭さもただ1人見抜いていたり、美味しい役どころでもある。
良くなかった、嫌だったシーン
終盤にニックとイジーが喧嘩をしていたと思ったら、突然キスをして性行為を始めたシーン。
これには苦笑してしまった。それまで、この2人は男女という仲でなく仕事のパートナーとして信頼を高めていってるのが、良いなあと思っていたから残念。
確かに意外性はあったけど、そこに意外性はいらなかったなあ。その前にニックは白人の元恋人とヨリを戻そうとしていたし。イジーも直前で仮想通貨を選んだわけだし。
確かにニックは元恋人よりイジーとの時間を楽しんでいる描写はあったけれど、それはあくまで仮想通貨ありきの話だと思ったのだけどな。パートナーではあるけど、微妙な関係性が緊張感があって面白かったのだけど、シーズン2ではラブラブになってしまったらガッカリだな。
企業投資家のアレックス
アレックスは良い味だしてたなあ。彼が金を出すと決断したところは、シーズン1最大のカタルシス(達成感)があった。
好きなキャラだっただけに、裏切ってしまって残念。ただ、「状況が複雑」みたいな発言をしていて、まだ謎も残っている。彼がシーズン2でどういう役どころになるのか気になる。
予想を裏切る展開が多い脚本なので、仲間になったりするのだろうか?
ジェンコインの魅力がイマイチ謎
ジェンコインが他の仮想通貨に比べて何が優れているのか、具体的に語られてないところはイマイチだと感じてしまった。あれだけ多くの人が夢中になっていくのだから、もう少し説得力がほしかった。
実在する「仮想通貨ビットコイン」などの単語も出てきたので、仮想通貨自体はすでに流通してるはずなので、「現金に代わる安全な通貨」というだけでは説得力が弱いと感じた。
途中でコードがオープンソースでなく、クローズドだからという説明があるけれど、それもちょっとなあ。イジーの書いた「コードが素晴らしい」とかも、利用者には関係ない話だし。
安全性という話も、ハッキングであえなく盗まれているし。
といっても、本当に魅力的な仮想通貨のアイデアがあれば、それが実世界で実現してしまうだけなので、これは仕方ないのかな。このドラマでは本題ではない感じ。
エンディングの評価
完全にシーズン2ありきなエンディング。謎・伏線が多くのこるので、これで観るのをやめるのは気持ち悪い感じが残った。制作側の狙い通りなんだろう。
FBI捜査官のラスクは、自殺するものだと思ったけれど、寸前で思いとどまった。パッケージを改めて見るとラスクが主役っぽい描かれ方なんだよな。
彼は殺人まで犯したので、これから仲間になって活躍する展開はちょっとなあ。